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期待値はつぶさに観察して初めて実感し理解出来ます。というわけで最初は定番のサイコロを使う実験から。
エクセルでサイコロゲームを作りました。解説を読む前にダウンロードして使ってください。
まずサイコロゲームのルールの説明です。サイコロを1回振るごとにサイの目に対応する賞金1円から6円が客に支払われるというゲームです。このゲームから期待値とは何かを説明します。
1.まず、表の「相対頻度」という項目に注目してください。この値はサイコロ目それぞれが出る確率をあらわしています。サイコロの目の数に対応しているのでそれぞれ理論上は1/6(16.7%)になるはずです。
2.「各収益」の項目にはそれぞれのサイコロ目が出た数(頻度)にそれぞれに対応する金額を掛けた金額が表示されます。
3.「総収益」の項目はサイの目1から6までの各収益の合計値。
4.そして今回のテーマ「期待値」の項目は「総収益」をゲーム回数で割った数になります。
期待値までの計算方法を表からたどると各収益をまとめた「総収益」をゲーム回数で割った数が期待値であることが分かります。ということは期待値とはゲーム1回当たりの平均獲得金額のことかと見当がつくと思います。
まずは試しに12回を試行回数に設定します。最初はゆっくりと進むので確認しやすいと思います。エクセルゲームではランダムにサイコロ目を出しているのでその都度に違う値になります。ゲーム開始の始めの方ほど相対頻度は理論値(16.7%)とはかけ離れた値になります。例えば最初の1回目は頻度は1から6までのどれか一つだけが6/6つまり100%で残りはすべて0のはずです。もちろん理論値の1/6ではありません。また期待値もサイコロの出目そのものになります。2回目は2が出るかもしれませんし、6が出るかもしれません。儲かるか儲からないかは、神のみぞ知るです。

上記の図は12回試行をした後のある結果の表です。見てそのままですが理論上は各サイの目の割合が16.7%(1/6)にならない、バラバラです(当たり前か・・・)。今回は6が12回中5回も出ている(本来は2回)ので期待値は通常より大きい、つまり期待した以上に儲かっていることは容易にわかります。今回は期待以上ですが、当然期待以下の場合も考えられます。例えば1が6回出たらどうでしょう?出るまで高速モードで試してみたください、いつかは出ます、たぶん。この12回ゲームから分かることは、期待値は毎回結構変わるなということです。

次に回数を太っ腹に増やして3万回といきましょう。結果は先ほどとは全く違い、すべての値が一定値をうろうろします。サイコロの目は理論値である16.7%にすべての目が近似しているのが分かります。何回トライしても同じです。16.7%付近でうろうろしています。また各収益も総収益もだいだい同じ値で、今回知りたいサイコロゲームの期待値は3.5周辺で一定していることが分かります。よって、計算をしなくでもサイコロの計算上の期待値は3.5位ではないかと推測できます(計算の仕方は宝くじ編で)。
この2つの結果から何が分かるかといえば、期待値はゲーム回数を重ねないと全く意味のない代物だということが分かります。そのそも期待値がサイコロゲームにとって利用価値があるためには得なのか損なのかを示す固定された基準でなければならないはずです。12回ゲームの期待値のように結果が1になったり4になったりとバラバラでは、期待値を求める意味がありません。ところが100回、200回、300回・・・・と回数を重ねるごとに以前お話した「大数の法則」がサイコロの目に働きはじめ、期待値が3.5に近づき一定しはじめます。これだと儲かる儲からないの判断の基準になると思いませんか?儲けようと思えば3.5以上を目指せばいいのです。結局、期待値とは適度に回数を重ねた結果において得られるであろう1回あたりの推定平均獲得金額ということが分かります。
いいかえるなら、1回1回の勝負で期待値を見ても全く意味がないということです。ある程度回数を重ねて初めて期待値は固定され、期待値の恩恵が受けられるからです。では期待値の恩恵とは何のでしょうか?その答えを探すために、最初に戻りサイコロゲームのルールについて再度考えてみます。このゲーム重要な要素が1つ抜けていると思いませんか?
そう、参加料が提示されていなかったのです。もし、参加料なしのゲームが存在するなら例え1回あたりの予想収益(期待値)が少額の3.5円でも今している仕事を辞めて参加することをお勧めします。地道に続ければ、確実に世界有数の億万長者になれます。そうです、期待値の最大の恩恵とは参加料とくらべてどれくらい得か損かを長期的な観点で測れるということです。例えばこのゲームの参加料が4円だったらどうでしょう?6回とか10回くらいは大儲けできるかもしれません。6が10連続なんてのは偶然の世界では十分あり得ます。しかし回数を重ねれば、あなたは確実に損をします。ためしに表を下図のように改造してみてください。期待値は大体4-3.5=-0.5になり、3万回だと15000円は一定して損しています。

期待値は1回や2回や10回・・・くらいだとこのサイコロゲームはだだの運まかせのギャンブルでしかないことを教えてくれます。また期待値がマイナスだと、回数を100回、200回・・・30000回・・・・∞と重ねるごとにあなたは確実に損をします。このことは同時に、確実に得をする人がいる示してします。そうこのゲームの胴元です。または、パチンコ店のオーナーです。公営ギャンブルの主催者の国です。あなたに身近ではない、実感のわかない期待値は、それらの大数の法則の恩恵を受けられる人々、不特定多数を相手にして、ものすごい回転数で丁半ゲームを主催している人にはありがたく、確実な指標になっているわけです。不特定多数の人々が儚い夢をもって丁半ばくちをしている間に、彼らはしたたかに、確実に利益を抜き取ります。あなたに必要なのは、そっち側の人間の発想なのです。ギャンブルじゃだめなんです。回数を重ねて期待値がプラスになるようなモデルを作って確実に儲ける。当たる、外れる、の2元論のギャンブル的発想はいつかは破錠します。
最後の最後になりましたが、サイコロゲームの期待値の計算方法です。

となります。すべての勝率×賞金を足して参加料を引いた値がサイコロゲームの期待値となります。今回は-0.5になりマイナス期待値になります。このサイコロゲームは参加すればするほど0.5円づづ損を重ねるという意味です。

投稿者 システムトレーダー壱式 : 2008年04月01日 19:23
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