システムトレード用の開発ツールです。エクセルのVBAを駆使して最高のパフォーマンスを目指します。基本は無料
株価と保険。一見何にも関係なさそうですが、実は株の損失を穴埋めしてくれる保険(オプション取引)というのが世の中には存在します。投資家(投機家)が金融工学を学ぶ大きな動機の1つはオプション取引に興味があったからだと思います。さらにもっと突っ込めば金融工学を学べば儲かると思ってるからだと思います。で、いきなり結論ですが、「儲けたければ、オプションは売れ(プットね)!!!」です。
となるとオプションの売りを説明するのが、当然の流れですが、株価オプション取引の仕組みとか計算方法とかをオプション取引の実例とかを交えて、オプション売りの利点を説明したとしても、文系出身者はほぼ挫折します。かなり学ぶことも多く、数学の知識を要求されます。ですので今しばらくはオプションの本質だけを捉えるためにも、より理解がしやすい(というか説明しやすい)保険の話を続けます。
前回の章で控除率の説明をしました。保険業界では、控除率のことを損害率と呼んでいます。損害率は、保険加入者からの掛け金の合計から保険金の合計を引いた額にあたります。この数字は保険会社の実力、天候リスクなどに影響を受けますが、毎年大体47%周辺らしいです。つまり100円の賭けを開催し、戻したお金ははば半額の53円ということです。控除率を見るかぎり、参加者のほとんどが損するような、保険なんて世の中に必要なのか?と疑いたくなります。がしかし依然として保険会社のCMは一日中流れていますし、おそらく必要な人からは感謝されているのでしょう。掛け金の半額しか返してくれないのに・・・・
例えば、分かり易くするために控除率0円の自動車保険があったとし、月々の掛け金が1円とします。そして事故発生確率を1%と仮定すると、100倍の100円が払い戻し金とします。こうすることにより控除率は0%になります。
それでは、添付ファイルを使って、この保険に入ったある10人の損益のシュミレーションと保険会社の損益をグラフ化してみましょう。
![]()
黄色の領域は保護されています。まず、実験回数を1000、発生確率を1、控除率を0に変更して、スタートボタンを押してください。

黒色の折れ線が保険会社(胴元)の儲けになります。赤色の破線は実験回数が増えると黒以外の折れ線グラフの縦軸として表示されます。
図1をみてください。実験回数1000回、発生確率1%、控除率0%の場合です。保険事故が100分の1で発生するので、支払が生じて、保険加入者の折れ線グラフが時折上に跳ね上がります。黒色の折れ線グラフは保険会社の収益を表しています。多少ジグザグしていますが、収支0を中心として収益がトントンなのがはっきりしています。つまりこの保険条件はフェアであることを意味します。
次に条件を実験回数300回、発生確率はそのまま1%、控除率を保険会社平均の47%に変更して、実施してください。控除率が47%なので、保険金支払額が100円から53円に変わります。1回の事故で53円しか支払われないという条件です。

図2を見てください。保険会社の収支は一定して右肩あがりです。一方で保険加入者は、全員大損と思いきや一人だけ収支がプラスの一がいます。まあこのようにきれいな結果を出すの大変でしたが・・・ここに保険がなくならない理由があります。つまり、確率1%の損害の補償をしてもらえた人にとっては金銭ではありますが、事故をおこした後悔をいくらかは軽減する助けになっているわけです。事故をおこしたので幸運というよりは不幸中の幸いというわけですが、とにかく保険があったので助けにはなります。実際に事故に誰が合うかはわかないし、その保障を一人でするには限界があります。そこで多数の人間でお金を出し合い保険会社にお金をプールを、事故を起こした時に事故に見合う配分を受け取るために保険の存在理由があるわけです。
その役割をしてくれるのが、株価オプションと呼ばれるものです。株価オプションの仕組みを勉強していくうちにオプション自体が投機対象に見えてきて、いつの間にか本来の使い方を誤って大後悔、1発で破産。なんてことにならないように、まずは、株価オプションは株で損したお金を支払額に応じて補填してくれる保険だということを忘れないでください。
株価オプションは株価の下落リスクを誰かに引き受けてもらう訳ですが、やはり引受てもらうにはそれなりの手数料が必要になります。1円も損をしたくないと思えば当然引受け金額も割高になりますし、株取り引きなので、ある程度のリスクは仕方ないが大損だけはしたくないと思う人にはその手数料はいくらか軽減されます。そんな都合のいい商品、引受け手はいるのか?と疑問に思うかも知れませんが、大丈夫です五万といます。なんたって保険ですよ、株の保険。保険は買うより売った方が有利なのは散々話したところです。身振り手振りで色々理由をつけて話ではありませんか、大数の法則やらなんやら使って・・・
さて売り手がいるのか?という疑問は解決したと思いますが、次に価格はいくらなのか?高いのか?高いと意味がないじゃないのか?とか色々と疑問はあると思いますが、値段は高いか安いかは条件設定を変えることで安くも出来ますし高くもできます。株価オプションも保険の一種ですので価格は
オプション価格 = 補償の発生確率 × 補償額
で求まるはずですが、株のように人間の思惑も入った、毎日変動する金融資産を正確に数式として評価することはもっとも難しく、今現在でも完璧というわけではありません。今現在、理論価格は「ブラック・ショールズ式」と呼ばれる高度な計算式を使うのが普通です。ちなみにこの計算式で、ショールズさんは1998年にノーベル経済学賞をもらっています。そんなありがたい計算式ですが、凡人には理解できません。私も理解しようと高校数学からやり直しましたが、今現在をもっても大体の仕組みくらいしか分かりません。細かいところはさっぱりです。それでも取引するには十分です。大まかな計算方法さえ分かれば、オプション取引の全体像は見えてきます。しかし、おおまかな計算でも理解にするのはかなりハードルはたかいので、今一度話を簡単にするために次回は、賭博オプションという仮想の保険を前提にして、オプションの基礎を考えてみようかと思います。

投稿者 システムトレーダー壱式 : 2008年05月27日 16:58
このエントリーのトラックバックURL:
http://systemtrader.info/cgi/mt/mt-tb.cgi/68